2014年2月20日木曜日

予告編


今、制作中のドキュメンタリー映画「いきたひ」はいくつかの章に分かれているが

私の体験談は4人の子供達の言葉が外せない。

だが主人が亡くなって4年経った今、彼らに当時を再現させるのが難しいので

彼らのリアルな言葉をテロップにしたり、私が淡々とナレーションにして伝えている。

「お父さんを燃やしちゃうの?」しくしく泣きながら長男が言った。

火葬前日の長男の言葉は、私にとってもきつかった。

言葉ないまま、抱きしめるしかなかったが、彼を抱く私の手も震えていた。

「体が見えなくなるだけでいるよ。だから6人家族のままだよ」と

あどけない顔をした次男が言った。

小学2年生次男が、いつも通りにいてくれたのが救いだった。

火葬が終わると吹っ切れたのか、10歳の長男が勝ち誇ったように言った。

「ガンも燃えちゃった、これでお父さん苦しくないね」と。

こうやって乗り越えて行くんだ・・・と私は勇気を貰った。

49日が終わる頃、私が呟いた。

「もう一度お父さんに触りたいなぁ」

すると次男が私の側に来て優しく微笑んだ。

「いると思えばいるよ」と。

泣けた。

続けて次男が言った。

「お父さんだと思って触ってみて」と。

私は思い切り次男を抱きしめた。

主人を思い出しながら。

私のメッセージは主人とよく登った日和田山を背景にテロップにした。

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人は命に終わりがあることを知っているからこそ

やり遂げたいことがある。

裸で生まれ、裸で帰ることを知っているからこそ

置いていきたいものがある。

あなたが命に変えて渡したいものはなんですか?
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最後のテロップは日蓮の言葉

「されば先ず、臨終のことを学びて、他事を学ぶべし」

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続くものには理由がある。

理由があって続いてきた。

消えるものにも理由がある。

理由があってこの体は消えていく。

生と死を繰り返しながら脈々と続いて生きた命

肉体を変えながら運ばれてきたDNA

このDNAの根源は一体何だろう?と考えた時、

命の源が「愛」であることにたどり着いた。

私たちは人生で様々な経験を重ねながら、愛を育て、愛を運んでいるのだと感じた。

肉体への執着心がなくなって、今、出来ることを精一杯すればいいんだと思った。

許された時の中で、やれることを誠実にやればいいんだと。