2013年10月10日木曜日

500万本の曼珠沙華

不思議な華。
昔からお墓の周りに植えられていた。
あの世を思わせる独特の世界を醸し出す。

お彼岸の頃一斉に咲き始める。
その「赤」は「血」「命」「生」を放つ。

しかし時期を過ぎると、
まるでお役目を果たしたかの如く、一気に力尽きて
見るも無残な姿に変貌してしまう

不気味にも茎だけが青々としたまま
花だけがしおれて

あの「赤」は幻だったのか?と疑うほどに
何とも言えない「灰色」へと化す。

朽ち果てた曼珠沙華は「死」「無」「終」を漂わせる。

巾着田の500万本の終わった華達が無言で示す。
誰もが必ず死ぬんだと。
例外なく「終わり」は来るんだと。
復活する為には一度死ななくてはならない。
次の「生」のために「死」を通過するのだと。

蘇りの「赤」を信じて、
枯れ果てた500万本の曼珠沙華を見つめた。

彼らの役目は終わったのだ。その命を全うしたのだ。
次に咲く命の為に。
毎年、巾着田の水車小屋の前で行われる「ネイチャーコンサート」は雨天で中止となってしまった。

来年またお越し下さい!